終業式が終わると、一旦教室に戻って担任から注意があって、そこで本当に1学期が終了した。予め登校日の出席予定を聞いたクラスもあったようだが、真琴達のクラスでは行なわれなかった。
 部活のある連中は早々と更衣室に行ったし、そうでない人たちはなんとなく教室で喋っているもの、早々に帰ってしまうものなどバラバラだった。
 真琴と薫は荷物を生徒会室に預けている為、担任が出ていくと、途端にやることがなくなった。いつもなら鞄の持ち物を整理したり今日の寄り道先を調べたり話したりするのだが、今日から生徒会の合宿で一日学校にいることが決まっているのだ。
「まだ、上の学年は終わってないよね?」
「どうかしら。どのみちすることもないから、行ってみる?」
 二人は正式には生徒会の一員ではなかった。生徒会の委員でないと生徒会室の鍵を預かれないから、上級生が終わるまでは生徒会室にも行けないのだ。
「とにかく行ってみようよ。教室探検は1年の時もしたけど、ちょっと怖くて3年生のところは余り見て回ってないからね」
「じゃあ、行こう」
「なんか、身軽過ぎてちょっと違和感」
「そうだね。いつもは鞄もってるもんね」
 二人は3年生のフロアへ行った。既に終わっているクラスもあるらしく、佐々木ミキ、サキと合流した。
「ああ、会長と副会長は同じクラスよ」
「ミキさんとサキさんも同じなんでしたっけ?」
「そうよ」
 四人は京町先輩のクラスにつくと、真琴は真っ先に教室を覗き、生徒会長を探した。
「(え!)」
 真琴は小声で驚きの声を上げた。
「(京町さん寝てる)」
 ミキ、サキはうなずいた。
「(割といつもそうらしいよ)」
「(え? でも……)」
 真琴は言った。
「(たしか、成績は副会長と同じくらい良いんでしょ?)」
「(実は、あの状態で聞こえているって話しもあるくらいよ)」
「え〜!」
 教室からの視線が全部後ろ扉で覗いていた真琴に向けられた。
 真琴は口を抑えて、頭を下げて謝った。
「(生徒会室に行ってましょう)」
 四人は階段を降りて生徒会室へと歩いていった。生徒会室の前につくと、薫は、ちょっと用事がある、と言って何処かへ行ってしまった。
「あそこで大声がでるところが、新野さんらしいわ」
「すみません」
「いいのよ。でもあの状態で全く起きなかったね。会長は」
「ああ、そんなの見る余裕なかったです」
「見た見た。まったく動じないんだもん。ああいうところが会長の器、なのかもね」
 ミキとサキは話を続けた。
「新野さん、新野さん、しってる? 京町さんお入学式お眠り事件」
 真琴は首を振った。それにしても『お眠り』事件なのか? 『居眠り』の間違えでは? と思った。
「入学式で体育館に座った時にも同じように寝ちゃって、式が終わってもいっこうに起きないもんだから、担任教師が背負って教室戻ったんだよ」
「まだまだあるんだよっ……」
 サキが言いかけたが、誰かに腰をつつかれて言葉を切った。
 振り返ると女生徒が立っていた。
「京町会長!」
 三人は声を揃えてそう言った。