あかねはお昼ご飯をどうやって食べるか考えていたが、何時までたってもアパートの前を離れることが出来なかった。リアルにお腹が音を立てた頃、アパートから神林みくが出てきた。
あかねは、予定通り向かいの建物の方へ気が付かれないように移動し、みくがどちらへ行ってもいいように待機した。
さあ、始まった、とあかねは思った。
あかねは、予定通り向かいの建物の方へ気が付かれないように移動し、みくがどちらへ行ってもいいように待機した。
さあ、始まった、とあかねは思った。
神林はアパートを出ると、駅の方向へと歩いて行った。派手な色のTシャツにやはり蛍光色の短いパンツ、ジャケットを軽く羽織ったようなスタイルだった。
あかねが小道を歩く間は、みくとの距離を取り、大きい道に出ると反対車線を歩いた。ほぼ駅に入ることが確実だと判断すると、今度は一気に距離を縮めた。
少し走った時に、鞄からカチャカチャと音がしたので、タブレットに何か異変が起きたかと思って見てみると、おもちゃのようなサングラスが入っていた。あかねは店のガラスに姿を写しながら、そのサングラスをかけ、確認した。
ちょうど良い。変装と言えばサングラスだ、とあかねは思った。季節的にサングラスはまだオッケーで、マスクには早すぎると思っていたのだ。
あかねは、神林が駅に入るのを見てから共通乗車カードを改札の機械にかざした。
あかねには、神林の行動に対して、ある予想をしていた。
一つは、川西の家とかへ向かうのではないか、ということだった。
川西派である神林は、何らか直接コンタクトを取ったりしているのではないか、と考えるのは自然なことだった。
もう一つは青葉だった。
一つは、川西の家とかへ向かうのではないか、ということだった。
川西派である神林は、何らか直接コンタクトを取ったりしているのではないか、と考えるのは自然なことだった。
もう一つは青葉だった。
青葉のあの変な店との関わりだった。あかねが一度散歩をした変んな男が、土谷高校の生徒が女の子同士でエッチなことをしている、と言っていた。変な男の言い分を信じる訳ではないが、同じ川西擁護に回っている、山川道子を青葉のそういう怪しげな店の近辺で見かけた為、ある程度信憑性のあるものだと考えていた。
だから、山川と同じように、神林も青葉の怪しいバイトをしていて、それを知られたくないため、報道被害を過剰に恐れているのでは? と、あかねは勝手な予想をしていた。
川西の家に行くなら下り方向だし、青葉に行くなら上り方向だ。あかねは気づかれないように神林の行き先を見つめた。
神林は、下り方向のホームへとエスカレーターを登っていった。あかねは何人かを間に挟んで、神林の後ろについた。脇の階段を歩き、並走することも考えたが、エスカレーターの性質上、横より真後ろの方が確実だと思ったのだ。
神林がエスカレーターを下り、数歩歩いたところで立ち止まった。あかねはそのまま上がってしまうと、神林の顔の向きに寄っては鉢合わせになる、と考え、エスカレーターをうつむきながら駆け上がり、すばやく踵を返して、階段を挟んで神林と反対側へ移動した。
サングラスが功を奏したのか、気づかれてはいないようだった。あかねは、どの電車に乗るのかチラチラと確認しながら電車を待った。
電車が入線すると、あかねと神林の距離は存外近かったが、車両が違った為、相手の死角に入ることができた。あかねは慎重に確認して、同じ駅で下りた。
ただ、下りた駅での降車人数が極端に少なかった為、あかねは構内の案内を調べるフリをして、神林との距離を取ることにした。
神林は、下り方向のホームへとエスカレーターを登っていった。あかねは何人かを間に挟んで、神林の後ろについた。脇の階段を歩き、並走することも考えたが、エスカレーターの性質上、横より真後ろの方が確実だと思ったのだ。
神林がエスカレーターを下り、数歩歩いたところで立ち止まった。あかねはそのまま上がってしまうと、神林の顔の向きに寄っては鉢合わせになる、と考え、エスカレーターをうつむきながら駆け上がり、すばやく踵を返して、階段を挟んで神林と反対側へ移動した。
サングラスが功を奏したのか、気づかれてはいないようだった。あかねは、どの電車に乗るのかチラチラと確認しながら電車を待った。
電車が入線すると、あかねと神林の距離は存外近かったが、車両が違った為、相手の死角に入ることができた。あかねは慎重に確認して、同じ駅で下りた。
ただ、下りた駅での降車人数が極端に少なかった為、あかねは構内の案内を調べるフリをして、神林との距離を取ることにした。
神林がエスカレーターに回って、ホームを降っていってから、ようやくあかねは駅名を確認した。しかし、その駅は川西の家の駅ではなかった。
なんだろう、何故この駅で下りたのか。バレた? いやそれはない。本当に何の関係もなく、友達の家とかに遊びに行くところだろうか。それはそれでも無駄ではないが…… とあかねは思った。そして、階段したの神林を確認しながら階段を下り、神林の姿を追った。
神林が改札を出ると、あかねも改札を出て後をついていった。
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神林が改札を出ると、あかねも改札を出て後をついていった。
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