その時あなたは

趣味で書いている小説をアップする予定です。

2015年10月

 美沙はまだ暗い表情のままだった。
「美沙……」
「あかね、さっきの」
「さっきの?」
「WiFiを調べて地図に記録するアプリ、とか言ってたでしょ、さっき」
 ちょっと苛ついたような感じに、あかねは萎縮してしまった。
「う、うん」
「調べたけど、そういういいアプリはなかったよ。特定のWiFiが見つかると、自動で接続するようなものはいくらでもあるんだけどね」
 そうか、それを逆手に使えればBITCHを見つける度につなぐことは出来るんだけど。
 あかねは美沙の机に置いてあったパソコンを見つけた。
「パソコン借りてもいい?」
「何するの?」
「ネットで調べもの」
「ちょっと待ってね」
 あかねは美沙のベッドに腰掛け、美沙は机の椅子に座ってパソコンをあかねが使えるように立ち上げてくれるのを待った。
「私がしらべようか?」
「……うん。まってね、隣に座らせて」
 あかねが美沙のところに行くと、美沙は足を開いて、ここに座れという感じに、椅子の前側を開けた。
 あかねは何も言わずにそれに従った。
 座るなり、美沙は体を押し付けてきて、手であかねの胸を触ってきた。
「何を調べるの?」
 美沙は右手でマウスを操作して検索サイトを開いた。
「スマフォの位置情報、追跡、方法、で検索してみて?」
 胸を触っていた手が離れて、キーボードへ伸びたと思うと、カチャカチャと音を立てて、テレビドラマのようにスムーズに単語が打ち込まれた。
「やっぱり早いね。ちょっとマウス貸して」
 美沙の両方の手がパソコンから引っ込み、あかねの部屋着の下に入ってきた。
 あかねはマウスのホイールを動かしながら、画面を追った。
 美沙は後ろからあかねの耳に息を吹きかけながら、乳房をまさぐっていた。
「あかね……」
 あかねは画面を何回がめくりながら、スマフォの追跡手段の多さにびっくりしていた。
 おそらく、BITCHの所有者はあかねのスマフォを追跡しているのだ。だからこんなタイミングでBITCHを見ることになったのだ。あかねはそんなことを考えていた。
「あっ……」
「えっ、何か見つかった?」
「(ち、違うよ)」
「(ああ…… これのこと?)」
 美沙は指先であかねの突端をくりくりと動かした。
「あっ、あぁ……」
 少し頭がぼぉーっとして、検索結果も頭に入ってこない感じだった。
 そのまま、ひとつの検索結果を開いてみると、そのブログ記事に『BITCH』が表示されていた。
「あ!」
「あかねぇ……」
 美沙が首筋に吸い付いてきて、背筋がぞくぞくと感じてしまった。
「ち、違うの、今度は見つけたの」
「……」
 あかねは、美沙に画面が良く見えるように少し体を前に倒した。
>


ーーー
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「頭が痛いです」
「知り合いかどうかは?」
「ごめんなさい。頭が痛い。これ以上話せない」
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「うん。もう寝るからメールしないでって返したから…… もう大丈夫だと思う」
 裸のままスマフォを持っている自分の姿が、美沙の後ろの鏡にうつっていた。なんてまぬけで、かっこ悪いんだろう。
「あかね、カゼひくよ、早く入ろ」
「うん」
 あかねは、スマフォを戻そうとして画面が変になっていることに気付いた。
 どうやら、さっき美沙の声にビビった時、画面に触れたせいだろう。画面を戻そうとしたが、あかねは表示内容を見て固まってしまった。
「どうしたの? あかね」
「……どうして、どうしてこんなところで!?」
 浴室の扉がガラッと開く音がして、美沙が出てきた。手早くタオルを巻くと、あかねの横に立って画面を見た。
「BITCH…… ってこれ、例の体育館の?」
「なんで? なんでこんなところに?」
 スマフォを放り投げて頭を抱えるあかねの肩を、美沙は抱き寄せた。
「ちょっと貸して、あかね。これ、今の状態を表しているのかな、本当に」
「……どういうこと?」
「ほら、ここに最新の状態を取得っていうメニューがあるでしょ? これを実行すれば本当に今、BITCHがあるかどうか分かるわ」
「いいよ、本当にあったらどうするの?」
「けど、これいつの状態かわからないじゃない。押してみるよ?」
 あかねはうなずいた。
「『最新の状態を取得』を押しました…… ほら、見て、あかね」
 あかねはそっとスマフォの画面を覗き込んだ。
 WiFiのリストがパッと消え、また一つづつリストに加わっていく。BITCHは出てこなかった。
「ほら! 大丈夫よ。気のせいだよ。私もびっくりしちゃった。ハハハ……」
「大丈夫?」
「大丈夫だよ。ほら、気のせいだったんだよ」
「けど、今はないけど。今は表示されてないけど…… どこかですれ違ったってこと? そうだよね?」
「……」
 美沙は何も答えなかった。
「どこだろう、こんなの気付かないよ。なんか常にチェックするようなアプリないのかな? 見つけたらマップに記録してくれるような」
 美沙の髪からポタポタとしずくがこぼれている。うつむいて、ただ立ち尽くしていた。
「美沙?」
 その姿を見て、あかねはやっと冷静になった。
 スマフォをそのまま着替えの上に戻し、美沙を抱きしめた。
「ごめん。風邪ひくから、もどろう?」
 肩ごしに美沙が鼻をすするような声が聞こえ、泣いているのだ、と確信した。
 何かスマフォの画面に変化があったようだが、あかねはあえてそれを見ないようにし、お風呂へ戻った。
 二人は同じ方向を向いて、湯船に入った。
 美沙を抱えるように抱きしめながら、あかねは「ごめんね」とささやき続けた。美沙の答えは返って来なかった。
 ようやく体が温まってきた頃、美沙は無言で立ち上がった。
 シャンプーをして、リンスを済ませると、「先に出ているね」とだけ言って出ていってしまった。
 あかねも続いて、髪を洗うと、体を拭いて持ってきた部屋着に着替えた。
 スマフォの充電が不足していたので、あかねは電源を切って美沙に充電させて欲しいと言って、美沙の部屋のプラグを使わせてもらった。
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ーーー
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「……」
「店内を走った後、非常階段側に入ったが、その後は、覚えている?」
「……」
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「ん、そうか。そうだね、美沙、背中洗って」
 いつもの調子で背中も洗って、流してしまうところだった。美沙はずっと待っててくれたのだ。
「ちょっとしたかったことがあって」
 そう言うと美沙は楽しそうに微笑んだ。
「ビックリしないでね」
 鏡に移る美沙を見ているかぎり、何やら自身の体を洗っているようだった。
 そうして全身が泡だらけになったと思うと、急にからだを寄せてきた。
「どお? つるつるして気持ちいいでしょう?」
 あかねは背中を滑る美沙のからだを感じるのに必死で、声が出なかった。
 美沙が押し付けてくる乳房やお腹の柔らかさ。
 泡が二人の肌を滑らかにすりあわせてくれる。
「あかね…… 立って」
 あかねは立ち上がると美沙の方を向いた。
 美沙は両手を広げた。
 あかねはフラフラとその誘いにのって、からだを合わせた。
 美沙のふとももがあかねのあそこを刺激した。
 あかねは、そのまま目を閉じてキスをした。
 すべすべになった肌がこすれ合いながら、絡み合ってまさぐりあった。
 美沙の真似をしてあかねも足を押し付けながらゆっくり動かして、刺激してあげた。
 二人は吐息のような、あえぎ声を出していた。
 これでこんなに感じるなら、手で触り始めたらどうなるんだろう。
 あかねはためらいもなく、美沙の恥丘に手を這わせ、クリトリスへ指を伸ばした。
「はっ……」
 息が止まるかと思うような声に、あかねはびっくりして手を止めた。
「ごめん。痛かった?」
「ちがうの、びっくりしたの、だから……」
 あかねは言葉の先をさっして指を動かした。
「あっ…… あん……」
 自分でするときのことを思い出しながら、更にラビアの奥へ指を進めた。
「はっ…… ああっ……」
 美沙の声が大きくなるとともに、強くからだを寄せてきた。まるで何かにしがみつかないと立っていられないかのようだった。
 その時、メールの着信音がなった。
 着替えの上に置いてある、あかねのスマフォの音だった。
 もうそうな時間がたっていたのか。
「美沙、ごめん」
「……」
 あかねは体を離して泡を流した。
「ちょっとだけ。母に返信するだけだから」
 美沙は無反応だった。
「ごめん」
 言っても、聞いていないような美沙を残し、慌ててタオルで体を拭うと、スマフォを操作した。
 母はもう書くことが無いのか、宿題の話をかいていた。あかねはもうやり終えたから、とウソを書いて、そろそろ寝るよ、としてもう返せないからと母にメールした。
 最初にそうやっておけば良かった。
 あかねはそう思った。
 浴室の扉が開く音がした。
 振り返ると、疲れたような美沙の顔が扉からのぞいた。
「終わった?」
 声のトーンに、あかねはちょっとビビってしまった。
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ーーー
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「大丈夫だよ。起きれるから」
 真琴は体を起こして、ベッドから足を下ろした。
 こんな短時間に治るような感じではなかった。
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月、水、金が『僕の頭痛、君のめまい』で、火、木が『ユーガトウ』ですが、これから可能なかぎり
月、水、金に『ユーガトウ』を入れることにします。
結果、火、木は何も掲載がなくなります。
時間はずらそうかと思います。ずらしてしまうと面倒でしょうか?
とりあえず、書き溜めてきたものの関係もあるので。
まずは試しでやってみますのでよろしくお願いします。 

 真琴はそれを見ることしか出来ない為、まるで他人事のようにつぶやいていた。
 更に何段か降りて、繰り出される蹴りを何度もかわしていた。すると、非常扉が開く音がした。
『来た!』続きを読む

 背中の感触を十分に楽しむと、今度は両手を脇から美沙の胸へ回した。
 お湯が急に揺れて、お風呂の端にあたってはねた。
「やっ……」
 いきなり両方の突起に触れてしまったせいか、美沙の体の反応が鋭かった。
「……美沙、もしかして、大きくなった?」
「そんなことない、はずだよ。体重変わってないもん」
 お湯の中で手を動かすと、美沙はあかねの方に背中を預けてきた。
 同時に、美沙の背中に自分の胸をぎゅっと押し当ててみる。
「あっ……」
「絶対大きくなったよ」
 美沙が足でお風呂を蹴ってくるので、美沙の背中があかねの胸を刺激する。
 あかねは声が出そうになるのを我慢する。
 左の乳首をつまんでぐりぐりと転がすと、美沙が大きな声をだした。
 あかねは、何か視線を感じて手を止めた。
「……ん」
 二人の動きが止まり、お湯だけが静かに揺れていた。
「あかね? どうかした?」
「なんか視線を感じるんだけど?」
「やだ、覗き??」
 美沙が立ち上がろうとする。
「窓はしまってるよ、大丈夫。そっちの扉もしまってるし」
「え、じゃ、何?」
 美沙がそう問うのも当然だった。
 あかね自身もいろいろ探し回ったが、視線がそそがれるような隙間はなかった。
 けれど何かが見ているような気がする。
 機械か何か、盗撮だろうか。
「わからない……」
「……あかね、あかねが前になってよ」
「えっ?」
 立ち上がった美沙が、あかねを後ろへ滑り込むように入ってきた。
「ほら、あかねだって大きくなったんじゃない?胸」
 美沙はあかねの乳房の寄せたり持ち上げたりしてきた。指はワザとか、意図せずそうなるのか分からなかったが、乳首のまわりをなぞって、先端には触れなかった。
「(ぢゅぅ)」
 美沙が、後ろから首すじのところを強く吸ってきた。
 乳房を触られているときは我慢していたものが、飛び出したように体が震え、声が出てしまった。
「アンッ……」
 体を揺らし過ぎたのか、湯船からお湯がこぼれてしまった。
 その時、あかねは、浴室にある時計に気づき、チラッとみてしまった。母からの次の連絡までに上がるか、一度外に出なければならない、そんな事が頭をよぎった。
「ご、ごめん、そろそろ体、体、洗おうか」
「いやだった?」
 あかねは首を振った。
「そう。じゃあ、私が洗ってあげる」
「えっ、ちょっとまって、まって。まず自分で洗うね」
 どうしよう。美沙の誘いは嬉しいし、断りたくない。けれど母がメールしてくるから手早くお願い、というのも変だ。あっちもこっちも丸く収めるには、どうしたらいいのかわからなくなってきた。
 あかねはボディーソープを泡立てて、体を洗い始めた。美沙の家のボディーソープは泡が細かくて良い匂いがする。全身が泡だらけになったころだった。
「あかね、ちょっと待って」



ーーー
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 男はあえてゆっくりと追ってきているような気がする。ヒカリはそう思っているのかは疑問だった。ゆっくりやって追い詰めているのか、あるいは、大声で、姿を見せない他の二人に合図しているのかもしれない。
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 二人は食事を終えると、二人で食器を片付けた。美沙が、何かそわそわしはじめたので、これはマズイ、とあかねは思った。
「お風呂なんだけどさ、少し時間あけてからで良い?」
「どうしたの?」
「ちょっと食べ過ぎた。お腹いっぱいで動けない……」
 美沙は笑った。
 本当に動けない、というのもあったが、食べ終わった直後の、ぽっこりしたお腹を見られたくなかったのだ。凹まそうとして、ずっと力を入れていたら、食べたものが戻ってきそうになるだろう。
 美沙は時間を潰すのに、何か録画してある青葉アイドルの番組でも見ようか、と勧めてきた。
 あかねはそれに賛成した。
 二人でテレビを見ている間、何回か母からあかねにメールが入った。
 どうやら父の帰りが遅くなって、暇になったらしい。どうでもいいことを確認してきたり、質問してきたりしていた。
 単純に寂しいからメールをしているのではなくて、何か他の意図があるような気がしてきた。
 なぜならさっきの計量スプーンもあったかなかったか結果を教えてくれないし、メールを送ってくる間隔も時計を見ているかのように同じだった。
 さっき、食事中だったからと言って返信をサボったら『どうしたの? 心配したわ』とメールがくる始末だった。
 美沙も変に思っているだろう。
「なんなんだろう……」
 二人でテレビを見ながら、あかねは母のメールのことを美沙に話してしまった。
「そっか。心配なのよ、お母さんからすればさ。女の子の家とはいえ、よそに泊まるわけだし」
「けど……」
 確かに、美沙が女の人の事が好きなのではないか、と疑っていた。その疑っている美沙の家に泊まりにきているのだから、娘が変な道に進まないか心配になるのも無理はない。
 この調子だと、一回返信し忘れたら大変なことになるな、とあかねは思った。
 ちっともお腹はへこまなかったが、あかねはお風呂に入ろうと言った。
「ごめん、やっぱりまって。メールチェックしないといけないから…… 次、母からメールが来たら入ろう」
 あまり良く理解してくれていないようだったが、美沙はうなずいてくれた。
 メールがくるかどうかが気になってしまって、青葉アイドルの番組も楽しめなかった。
 そろそろくるな、と思い、あかねは言った。
「お風呂場行こうか」
 美沙は少し赤ら顔になって小さくうなずいた。
 あかねは自分がメールばかり気にしていることを気にしていた。
「色気もなにもなくてごめんね」
「だいじょうぶ」
 あかねは風呂場で着替えながら、スマフォをチェックしていると、母からのメールが来た。
 全裸でメールの返信を書き込んで、自分の脱いだ衣類の上にスマフォを置くと、風呂へ入った。
「今きたから、ゆっくりお風呂入れるよ」
「よかった」
 美沙はもう体を軽く洗って、湯船に入っていた。あかねもさっと汗を流して、美沙の入っている後ろから入った。
「え、前みたいにかわりばんこじゃないの?」
「ちょっとあったまりたい」
 あかねは足を開いて美沙を抱えるようにしてお風呂に入った。美沙は狭いからか背中を丸めていた。
 綺麗な肌だ、とあかねは思った。
 両手でお湯をかけながら背中を撫でると、自分の肌の色と、美沙の背中の白さの対比が強くて、こんなに陽に焼けているのかと思ってしまう。
「あったかい」



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 真琴にはこの光景は見えているが、ヒカリが何を思ったとか、何を考えているのは全く読めなかった。
 男が一つ階段を登ってきた。
 真琴は素早く水平に蹴りを出した。男は軽くダッキングしてそれをかわした。続きを読む

「ごめん、今日は学校にいく!」
 堂本駅につくと、真琴は薫の手を振り切って学校に走り出した。
 痛みはある。
続きを読む

結末を色々考えている
しかし、おちない。
どうしよう、なんパターンも考えて見る余裕はないが、それしか方法がないか??
先におちがある状態から書き始めるべきだったかな?
キー入力のペースが落ちてしまって…
体は元気なのにな〜
難しいな。
このエントリもオチがないし。

「えっ、料理! すぐ出来ちゃうから……」
 他人の家で、しかも今料理を作っているのに、失礼過ぎた。あかねは頭をさげた。
「ごめん」
 美沙は赤い顔になって、小さい声で言った。
「私も入っていないから…… 後で入ろうよ」
 そういう意味か。美沙は一緒に入ろうと思っていたのだ。そういえばこの前もそうだった。
「う、うん。そうだね。一緒に入ろうか」
「え、うん」
 そんなに顔を赤くするようなことだろうか。
 以前は、もっと堂々としていたような。
 いや、私も少しのぼせそうな感じではあるけれども、とあかねは思った。
 スマフォからメールの着信音がなった。
「あ、ごめん、ちょっと見ちゃうね」
 あかねはスマフォを取り出し、メールチェックした。
 母が計量スプーンをどこに置いたのかを聞いてきた。あかねは記憶のある限りの場所を羅列して、メールを返信した。
「なんのメール?」
「この前学校に持っていった計量スプーンどこに置いたの? ってメール」
「お母さん、計量スプーン使って料理つくるの?」
 あかねは確かに普段計量スプーンを使っているのを見たことがなかった。
「わかんないけど…… 普通じゃないの?」
「あ、使うのが普通かどうかは判らないけど…… 私なんかだと、よっぽどレシピ通りつくらなきゃならないものの時かな、と思って」
「たとえば?」
「ケーキとか、初めて作る料理とか」
 あかねはなんか家に帰ってどんな料理を作っているのか確認したくなった。さっきのメールに続けて、何作ってるのかをメールで問い合わせた。
「さ、こっちも準備できたよ〜」
 あかねは運ばれてくる料理をみて前と違って、色鮮やかで凝った料理に思えた。
「時間かかったでしょ」
「ちょっとね。それこそ、今日は計量スプーン使ったわよ」
 あかねは美沙の顔を見ながら、幸せな気持ちになった。私の為に、こんなに頑張って料理作ってくれるなんて。
「……あ、不安がらないでよ〜。初めて作ったけど、さっき味見した感じじゃ、大丈夫だから」
「不安がってなんかないよ。感激したんだよ〜」
「そっか、よかった」
 向き合った美沙は、微笑んだ。
「いただきます」
 二人は食事を始めた。
 冷製のスープは味のバランスが良くて、美味しかった。小さなパンは形こそすこしいびつだったが、味は買ってきたものよりも美味しかった。
「美沙って料理上手よね」
「良かったよ〜 ちょっとドキドキだったの」
 おなかが減っていたのもあったが、食欲をそそる味付けだった。あかねは食べ過ぎていた。
 食べ過ぎた、と思うと、この後に見せなければならない自分の体のことを考え、すこし憂鬱になった。
 しまった。この後、お風呂だった。こんなに食べ過ぎなければよかった。
「どうしたの? なんか変な味した?」
「ううん、そんなことないよ。すっごく美味しいよ」
 美味しいから問題なのだ。



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「いや、本当に知らないんだ」
「ヒカリがやったってこと? ……やっぱり一度ラボに行って……」
 いや、ラボの連中の中にこの前のような危険人物がいるんだ。危険すぎる。薫だって捕まったのに、不安じゃないのか?
続きを読む

 あかねは抵抗しようとした。
「い、岩波さん?」
 急に先生の方から、体を離してきた。
「せんせい」
 もう、何か、歯止めがきかないところまで来ていた。
 あかねは先生の態度が分からなかった。
「二人の秘密ね」
「せんせい」
 抱きしめてほしくて、求めているのに笹崎先生は何か、急に態度が冷たくなったようだった。
「岩波さん。あなたがこのことを言わないように、私もあなたのことは言わない」
「……はい」
 あかねには良く意味が理解出来なかった。
 行為を途中で止めてしまう意味も。
 とにかく、さっきの話を誰にもしないということで、私と美沙のことも誰にも話さない、ということなのだ。
 カッとなったままのあかねは、先生が何か体育館の戸締まりのことでたずねているのだが、全く頭に入ってこなかった。
 先生が鍵をかけると、手を振ってそこで別れた。
 グランドは誰もいなくなっていたので、そこを横切って近道をした。
 部室の鍵が掛かっていて、あかねは鍵を開けて中で着替えた。
 『リンク』を見ると、美沙から何度かメッセージが入っていた。
 着替えながら、スマフォを左手に、右手に持ち替えながら何回かメッセージをやりとりすると、笹崎先生とあったことは完全に頭から抜けていった。
 急いで家に帰ると、母にご飯はいらないと告げ、急いで着替えと明日の時間割に合わせて教科書とノートを入れ替えると、バッグを抱えて美沙の家へ向かった。
 美沙の家のチャイムをならすと、待っていてくれたようで、すぐに玄関が開いた。
「おまたせ。おじゃまします」
「部活遅かったね」
「えっ、部活? ああ、うん。ちょっと長くなったんだよ、上手く出来なくて」
「良くわかんないけど、自主練? ってこと?」
「バツ錬というか…… うまく出来ないから、補習というか」
 あかねは靴を直すと、美沙が玄関の鍵をかけた。
「へぇ…… 川西先生の時はそういうのなかったのにね」
「レギュラーの人には居残りとかあったよ。練習試合の後とかに残って出来なかったプレーを何度も繰り返したりね。けど、私は……」
 私は補欠の二番手ぐらいの位置だから、絶対にそんな居残り指導なんてなかったんだよ。つーか今後もそういう意味の練習なんてないよ。美沙に言えない理由の練習なんだよ。
「へぇ…… じゃ、あかねのレギュラー入りも近いのかな?」
「そんなことないよ。結局、今日だって全然だめだったもの」
「あ、バッグはそっちの居間のソファーの横にでも置いてね」
 あかねは美沙に言われるままバッグを置くと、食卓についた。
「食べてないでしょ?」
「……うん」
「あかねの為にたっぷり作っといたから。本当はもうちょっと早くくるかと思って、そこに合わせてたんだけど…… 今温め直すね」
「ごめんね、出来たてで食べれなくて」
 あかねは時計を見た。
 自分の家ではこの時間の夕食なら、早いくらいだ。世間一般と比較して遅いとか早いとかは考えたこともなかったが。
「シャワー借りてもいい?」



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 真琴にはそれでも何かが違っていた。
『悪いけど、ここはボクがやるよ』
 ヒカリが意識を奪ってしまった。
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「まさみ! 出てきて!」
 必死に左右を見回していた。
 真琴も胸が締めつけられるような想いがした。なんだろう、ヒカリの気持ちであることは間違いないのだが、ボク自身の想いのような錯覚を覚える。
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 マジ…… 目がマジだ。
 あかねは口答えする気力も無くなってきた。
 何度も何度もコートの内を叩いたら逆方向へ走ることを続けた。
 何回かやると数十秒休憩を挟んでくれるものの、足がからんで転びそうになってもやめてくれなかった。
 最初の内は出入り口の近くで、成り行きを見てくれいていた部長も帰ってしまった。
「先生…… もう無理ですっ…… 走れません」
 あかねは本当に限界と思って、床に転がって仰向けになった。
 笹崎先生はあかねの顔の横に立ち、覗き込むような格好になってしゃがんだ。
「……なんでこんなに叱られる、って言ってたわね」
 そうい言うと、人差し指をあかねの唇に押し当ててきた。
 唇? どうしてそんなところを触ってくるの?
「理由は自分で考えなさい」
「えっ?」
 唇って。休み時間の美沙とのキス……
 まさかっ!
「先生が戸締まりを確認してくるから、それまでには帰れる支度しといてね」
 あかねは残りの体力を振り絞って立ち上がった。
「先生! まさか…… 見たんですか?」
 先生は振り返って人差し指を唇に当てた。
 やばい……
 見られてはいけない人に見られた。
 あかねは笹崎先生が戸締まりを確認し、灯りを消して戻ってくるのを待った。
「あら、待っててくれたの」
「先生。絶対に誰にも言わないでください。言われたら困ります」
「困るようなら、最初からしなければいいのに」
「……」
 あかねは言い返せなかった。
「……ちょっと意地悪な言い方でした。ごめんなさい、岩波さん。私は何を見たとは言ってません。大丈夫ですよ」
 スイッチは消しているのだが、体育館の灯りは、急には暗くならなかった。
 次第に暗くなるなか、出入り口に向かって二人は歩いていた。
「そうですね。条件をつけましょうか?」
「……なんですか?」
「こちらの秘密も、岩波さんが言わない、という条件で」
「こちらの秘密、というのは?」
 完全に体育館の灯りが消えてしまった。
 笹崎先生はあかねにピッタリと体を寄せてきた。あかねは、後ずさりしたが、出入り口の扉にぶつかってしまった。
「こちらの秘密っていうのは、今から作るのよ」
「えっ……」
 笹崎先生はすっと顔を寄せてきて、あかねのあごに軽く手を触れたかと思うと、口づけをしてきた。あかねは目をあけたままだったが、先生が目を閉じていたので、慌てて目を閉じた。
 唇を一通り触れ合わせると、先生はそのまま舌で唇を舐め始めた。あかねも唇を開いて、舌先を突き出すと、まるで見えていたかのようにタイミングよく絡めてきた。
 あかねが先生を支えるように胸を触っていると、その感触をもっと確かめたくなって、ゆっくりと指を動かしはじめた。
 笹崎先生の方は、あかねの内ももを撫で上げ始めた。
 吸い付くようなキスで、息がきれる。
 先生は短パンの上から、割れ目に沿って指を撫で付けてきた。
「んっ、んん……」



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