鍵がかかっていなかった。あかねは焦った。出かけたとは思えない状況で、鍵かかかっていない理由を想像したからだ。何者かが侵入し犯行に及んだ後、逃げたのではないか、とあかねは考えた。美沙が倒れているかもしれない。あかねは急いで家の中を見て回った。
すると、ザーっと雨が降っているような音が聞こえた。シャワーだ、と直感した。そして濡れた床に流れる血が脳裏に浮かんだ。やばい!
あかねはお風呂場に入ると、浴室の扉を開けた。
「?」
裸の美沙がそこに立っていた。
濡れた床には泡が流れていたが、鮮血はなかった。
「あれ? あかね、もう来たの?」
あかねはお風呂場に入ると、浴室の扉を開けた。
「?」
裸の美沙がそこに立っていた。
濡れた床には泡が流れていたが、鮮血はなかった。
「あれ? あかね、もう来たの?」
振り返った美沙は、呑気な声でそういった。
安心した。無事だったのだ。
それにしても鍵を開けっ放しなんて。
「……いろいろあって。部活を抜けてきたの」
あかねはそう言った後、美沙のはだかに気付いて、慌てて風呂場の扉を閉めた。
「ご、ごめん」
「部活してきたんだったら、汗かいてるでしょう? お風呂入らない?」
「え、だって」
「大丈夫よ、交代で入ればいいんだし」
「そうじゃなくて」
「?」
美沙が扉を開けて言った。
「この前いっしょに温泉入ったじゃん?」
「そ、そうね」
あかねは玄関の扉に鍵をかけていないことを思い出した。
「ご、ごめん」
「部活してきたんだったら、汗かいてるでしょう? お風呂入らない?」
「え、だって」
「大丈夫よ、交代で入ればいいんだし」
「そうじゃなくて」
「?」
美沙が扉を開けて言った。
「この前いっしょに温泉入ったじゃん?」
「そ、そうね」
あかねは玄関の扉に鍵をかけていないことを思い出した。
「美沙、玄関鍵かかかってなかったけどなんで?」
「えっ? そうなの? 家に帰って来た時にかけ忘れてたのかしら。あかね、悪いけど鍵かけてきてくれない?」
あかねは言われた通り玄関に戻って鍵をかけた。
どうしよう、とあかねは思った。確かに春休みに美沙と一緒に温泉旅行へ行っている。その時にこんな気持ちはまったくなかった。たった六ヶ月でこんなに気持ちが違っているとは……
「美沙、鍵かけてきたよ」
戻ってくると浴室の扉が閉まっていた。そこが再び少しだけ開いて、美沙が言った。
「ありがとう。今日さ、両親とも泊まりだから、戸締まりとか私がしっかりしなきゃいけないのにね」
え…… 変な情報を私に与えないで…… あかねは顔が熱くなってきたように感じた。
「早く入ってきなよ」
「うん」
どうしよう、とあかねは思った。確かに春休みに美沙と一緒に温泉旅行へ行っている。その時にこんな気持ちはまったくなかった。たった六ヶ月でこんなに気持ちが違っているとは……
「美沙、鍵かけてきたよ」
戻ってくると浴室の扉が閉まっていた。そこが再び少しだけ開いて、美沙が言った。
「ありがとう。今日さ、両親とも泊まりだから、戸締まりとか私がしっかりしなきゃいけないのにね」
え…… 変な情報を私に与えないで…… あかねは顔が熱くなってきたように感じた。
「早く入ってきなよ」
「うん」
あかねはバッグを置いて、制服を脱ぎ始めた。本当にここでお風呂に入って、何事もなくいられるんだろうか、単純にお風呂だけで帰れるだろうか、と考えた。
それでも、パンツを脱ぐ時にはあかねは気持ちを決めていた。いや、何があっても後悔しない。もうここまで来たんだもん。
浴室の扉を開けて、あかねが入ると、美沙がシャワーヘッドを渡してくれた。
あかねは軽く全身を流した後、湯船につかった。
「美沙、今日の相談ってなに?」
髪を洗っている美沙は、手を止めて返事をする。
「このタイミングできく?」
「ごめん」
美沙は髪を続けて洗い始めた。
「なんかさ……」
「どうしたの、あかね」
「なんでもない」
あかねは美沙の体を見つめていた。ところどころシャンプーの泡がついて見えないが、女の子らしい柔らかい曲線が美沙をより可愛らしく見せていた。
髪を洗い終わると、シャワーで洗いでから、リンスを手にとり、すり込むように毛先まで揉み込んでいった。リンスインシャンプーで済ませている自分と比べて、そういうところが違うのだ。丁寧に髪をいたわりながらリンスしている美沙の仕草を見ていると、萌というものの意味が判るような気がした。
ーーー
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浴室の扉を開けて、あかねが入ると、美沙がシャワーヘッドを渡してくれた。
あかねは軽く全身を流した後、湯船につかった。
「美沙、今日の相談ってなに?」
髪を洗っている美沙は、手を止めて返事をする。
「このタイミングできく?」
「ごめん」
美沙は髪を続けて洗い始めた。
「なんかさ……」
「どうしたの、あかね」
「なんでもない」
あかねは美沙の体を見つめていた。ところどころシャンプーの泡がついて見えないが、女の子らしい柔らかい曲線が美沙をより可愛らしく見せていた。
髪を洗い終わると、シャワーで洗いでから、リンスを手にとり、すり込むように毛先まで揉み込んでいった。リンスインシャンプーで済ませている自分と比べて、そういうところが違うのだ。丁寧に髪をいたわりながらリンスしている美沙の仕草を見ていると、萌というものの意味が判るような気がした。
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