あかねが体を洗い始めると、美沙が湯船から上がってきた。
「背中洗うよ」
「え、大丈夫、自分でするから」
 そう言いながら、あかねはお腹を引っ込めるように力を入れた。
「だって……」
 急に美沙があかねの背中にもたれかかってきた。美沙の体が、密着してくる。
「ど、どうしたの? 何してるの?」
「……ごめん」
 美沙の体から力が感じられず、あかねは振り返れなかった。振り返ったら美沙が床にすべり落ちてしまう。
「大丈夫?」
「……えっと……」
 美沙があかねの耳もとに話しかける。
「のぼせた、かも」
「え、え? どうすればいいんだっけ?」
「ごめんね。体洗ってる時に……」
「それはいいんだけど」
 あかねは、滑り落ちないように、後ろに手を回して美沙の体を支えた。
「私が洗ったげる……」
 美沙があかねの持っていたスポンジを取り、あかねの方へ手を回してきた。力が入っていないせいか、さっき洗っていたよりもずっとゆっくりな動きだった。
「いいよ、大丈夫だから、ね? 美沙、動かない方がいいよ」
「ううん。だって悪いもん」
 耳元で喋るのを意識してなのか、のぼせてフラフラのせいなのか、美沙の声は小さかった。その声が、耳に入ってくる度、あかねは、ゾクッと感じていた。
「こっちの手でも洗ったげる」
 美沙がスポンジを持っていない方の手で、あかねの胸を触ってきた。いや、本人は洗っているつもりなんだろう、と思い、出そうとした声を押し殺した。
「あれ……」
「美沙、どう、大丈夫?」
「これ…… おっぱいだ」
 美沙が指の間で乳首を挟むように弄り始めた。
「あっ…… 美沙、何するの? のぼせたんじゃないの? もしかして、もう大丈夫なんでしょ?」
「ううん…… まだ力が入らない……」
 スポンジを持っていた方の手からスポンジが落ちた。そして、その手はあかねの内ももの方を撫でるように滑り始めた。
 あかねは、美沙を支えている方の手を離し、その手を抑えた。
「あかね……」
 美沙の体がまた横に滑り出しそうになり、あかねは慌てて美沙の手を離して体を支える方へ回した。
「美沙、具合良くなってるんじゃないの? だって、ほら、こっちの手が……」
「ごめんね」
「何、何でごめんねなの? そうじゃなくて、胸を触るの、やっ……」
 美沙の一方の手はあかねの胸を揉み続けていた。あかねが離してしまった手は、さらに内ももを付け根の方へなで上げてきた。
 あかねは、頭が変になりそうだった。
「……や、やめて」
「ごめんね、あかね」
「美沙、どうしたの? なんでごめんね、なの?」
「ごめんね」
「あっ……ん」
 ついに美沙の手はあかねのラビア(陰唇)に達した。
 二本の指が割れ目にそうように滑り込んでいき、その奥のものを挟むようにしてきた。すると美沙は手をやさしく、そして細やかに動かし始めた。あかねは再び声を上げた。
「あん…… ん」
 あかねは、こういう時、どうしていいのか、声を出していいのか、それともいけないのか。判らないまま、声を押し殺していた。
「あかね……」
 急に強く挟んで震わせたり、奥へ指を這わせたりする度に、あかねの名を呼んだり、謝ったりしていた。
「美沙、ごめんね、ってどういう……」
「ごめんね」
「あっあっ、だから……」
 あかねは必死に美沙の体を支えながら、その美沙に体を弄られ続けた。
「あかね!」
 美沙の声が、突然別人のような低い声になった。
 あかねの胸や股を弄っていた手が離れ、美沙は立ち上がった。
 あかねは美沙を支えていた手を離し、自分の胸と股間を押さえた。
「美沙…… どうしたの?」
「ごめん、やっぱり私……」
 声の調子が変だ。あかねは立ち上がって、美沙の方を振り返った。
「美沙?」
「あかね。ごめん」
 美沙はあかねに抱きついてきた。
 しかしさっきまで感じていた淫猥な雰囲気はまるでなく、美沙は、あかねの胸で泣き始めてしまった。
 あかねは混乱したまま、とにかくお風呂から出ようと提案すると、美沙はコクンとうなずいた。


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