あかねと美沙は、美沙の部屋のベッドの上に並んで座っていた。
 美沙が興奮して泣きそうだった為に、かなりの時間、こうして黙って座っていた。あかねはこのままではダメだ、と思い、話し始めた。
「美沙。私も。私もね」
 美沙はあかねの方を向いて、目を閉じていた。あたかもキスを待ち受けているようにも見えたが、あかねはそのまま話しを続けた。
「私も少し前に気付いたことがあるの。ちょっと話が長くなるけど」
 前置きしてから、以前、変な男と公園に行った時のことを話した。その男に、うち学校の女の子同士で、エッチなことしてないか、とか聞かれた話をした。それが自分で気付く、きっかけだったのかもしれない、ということを話した。ただ、その時は、その男が怖くなって逃げ出しただけだった。
 昨晩になって、急にひとりエッチがしたくなったが、ネタに困って青葉アイドルとしている妄想で何度も自慰をしてしまった事を話した。そのせいで、部活の女子がただの部員としてではなく、性的な対象としてみてしまう自分がいたことも、隠さずに話した。
「だから早く家に来たのね」
 あかねはうなずいた。 
「私、変なのかな? 女の子に興味あるのって、変だよね。私も女の子なのに……」
 美沙は笑い出しそうな顔をしていた。
 やっぱり最悪な事を言ってしまった、とあかねは思った。
 真剣に話したけど、やっぱり通じてないのかも…… こんな自分は笑われてしまう。
「やっぱり忘れて!」
「あっ、違うの」
 美沙はあかねの手を取って言った。
「昨日私もマスターベーションしたよ。青葉アイドルになった、あかね、って設定で。なんかさ、奇跡のような偶然だよね」
 美沙はそう言って微笑んだ。
 あかねは笑い返したものか、少し考えたが、しばらく考えているうちに笑ってしまった。
 美沙が言った。
「お互いが……想いを寄せていたのかな」
「お互いが思い合っていた。私もそんなふうに思う」
 気持ちは分かり合えた。
 ただ、ここまで話しをして、それなりの時間が経ってしまった為、あかねは焦りを感じていた。
 美沙が目をつぶっている内に押し倒してしまえば問題は無かったのだが、ここまでぶっちゃけた話しをしてしまって、もう一度エッチな雰囲気にする方法がわからなかった。どうしたらいいのだろう?
「み……」
「あか……」
 あかねが言いかけた時に美沙も何かを言おうとしていたらしく、声が重なってしまった。気まずくなるばかりだった。
「美沙、いいよ、話して」
「私はいいの。あかね話して」
「……どうしよう。美沙。さっきみたいに」
「さっきみたいに?」
「……目を閉じて」
 美沙は目を閉じた。
 あかねは始めから、この言葉言えばよかったのだ、と思った。
 あかねは美沙の前髪を触り、手で頬に触れた。そしてそのまま自分の唇を美沙の唇に重ね、軽く噛むようにキスを続けた。
 あかねの舌が美沙の唇を割って入り込むと、美沙も何かを溶かすかのように舌を絡めた。頬に当てていたては美沙の肩を通り過ぎ、美沙の部屋着を捲りあげていた。
 あかねがかぶさるように美沙の上になると、美沙は完全に上半身が裸になっていた。あかねはもう一度美沙にキスしてから、うなじのあたりに舌を這わせながら、両手で乳房を撫で回していた。
「や……」
 恥ずかしいような、けれど続けて欲しいような、あかねの想像ではあったけれど、拒まない美沙の態度から、きっとそうなのだ、と考えた。
「……あん、ああ」
 あかねの唇は時折吸い付くように美沙の肌にキスをしながら、ようやく胸の上にたどりついた。
「美沙」
 そう言って、やさしく舌で乳首をなぞりながら、口に含んでは吸い、吸い込んでは唇で弄んだ。


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