ボクらは、光りながら世界の果てに飛んでいった。無限の飛行の先にあったのは、延々先まで燃え上がっている大地だった。二人はそこに降り立ち、衣服を燃やしながら、さらなる果てを目指して歩き進んだ。
 本当に時間がたったのか、あるいは一瞬なのか、本当に時間が分からなくなっていた。体のだるさや、焼けた空気のにおいで何度もむせていた。
 ヒカリと真琴はこの先に何があるのか、ここがどこなのか、目的がなんなのか、どれ一つ、何も分からないでいた。ぼんやりと、ただ進まなければならない気持ちだけが心にあった。
 何一つ景色が変わらない道をボクらは進んだ。
 たまに互いの顔を見合ったが、特に変わったこともなかった。ただ煤けたり、手でこすったところが黒くなっていたりした。
 服はすべて焼け落ちていて、肌もひどいやけどだらけだった。痛いような感覚は麻痺してしまったのか、もう何もなかった。
 何も変わっていないと思っていた景色の中で、前方に暗い陰が出来始めた。赤く燃え上がる景色の先に見える、小さな陰。
 ボクらは歩くのを止め、走り始めた。
 小さな陰は徐々に大きくなっていくのが分かった。そしてさらにさらに長い時間走り続けた。
 ボクとヒカリは、突然せき込んで、立ち止まってしまった。のどがヒューヒューと音を立て、互いの息の音が聞こえていた。リズムずれていったり、あっていったりする中、突然せき込んだり、のどの奥の何かを吐き出そうとしていた。
 後少しなのに。
 向かう先の陰はもうだいぶ大きく見えており、あそこがゴールか、あるいは次の段階への入り口に違いなかった。
 ただ、入り口であったら、またさらなる先へ進まねばならない。
 真琴はゴールであることを祈った。
 二人の咳が止まった後、ボクとヒカリは手をつないで歩きだした。
 歩いたら何時までかかるか分からなかったが、とにかく歩き続けた。
「ゴールだといいね」
 真琴は言った。
「ゴールとは終わりという意味ね」
 とヒカリは答えた。
「そうだね。こんな旅は終わりにしたいね」
 ボクはそう言った。
「旅は終わらないよ。けれど、それを終わりにすることは出来る」
 ヒカリが言った。
「意味が分からない。なにか良いことを言ったつもりなの?」
 ボクはヒカリをからかうようにそう言った。
「この場から抜けることはいつでも出来た」
 ヒカリはにっこりと笑って言葉を続けた。
「でしょ? 分かるよね?」
 ボクはヒカリの手を引いて、走り出した。
 まったく意味はわからなかった。
 けれどこのまま走りだせば、この世界から抜け出ることが出来そうだった。
 頭の中の、スイッチのようなものが、カチリと動いた瞬間、ボクとヒカリの体はブロックノイズに変わり、泡のように消えてしまった。
 直後には、その泡が消えるのを見ていた、意識の目線も、その世界から消えさってしまった。



 ーーー
いつもありがとうございます。
お手間でなければクリックをお願いします→にほんブログ村