美沙はまだ暗い表情のままだった。
「美沙……」
「あかね、さっきの」
「さっきの?」
「WiFiを調べて地図に記録するアプリ、とか言ってたでしょ、さっき」
 ちょっと苛ついたような感じに、あかねは萎縮してしまった。
「う、うん」
「調べたけど、そういういいアプリはなかったよ。特定のWiFiが見つかると、自動で接続するようなものはいくらでもあるんだけどね」
 そうか、それを逆手に使えればBITCHを見つける度につなぐことは出来るんだけど。
 あかねは美沙の机に置いてあったパソコンを見つけた。
「パソコン借りてもいい?」
「何するの?」
「ネットで調べもの」
「ちょっと待ってね」
 あかねは美沙のベッドに腰掛け、美沙は机の椅子に座ってパソコンをあかねが使えるように立ち上げてくれるのを待った。
「私がしらべようか?」
「……うん。まってね、隣に座らせて」
 あかねが美沙のところに行くと、美沙は足を開いて、ここに座れという感じに、椅子の前側を開けた。
 あかねは何も言わずにそれに従った。
 座るなり、美沙は体を押し付けてきて、手であかねの胸を触ってきた。
「何を調べるの?」
 美沙は右手でマウスを操作して検索サイトを開いた。
「スマフォの位置情報、追跡、方法、で検索してみて?」
 胸を触っていた手が離れて、キーボードへ伸びたと思うと、カチャカチャと音を立てて、テレビドラマのようにスムーズに単語が打ち込まれた。
「やっぱり早いね。ちょっとマウス貸して」
 美沙の両方の手がパソコンから引っ込み、あかねの部屋着の下に入ってきた。
 あかねはマウスのホイールを動かしながら、画面を追った。
 美沙は後ろからあかねの耳に息を吹きかけながら、乳房をまさぐっていた。
「あかね……」
 あかねは画面を何回がめくりながら、スマフォの追跡手段の多さにびっくりしていた。
 おそらく、BITCHの所有者はあかねのスマフォを追跡しているのだ。だからこんなタイミングでBITCHを見ることになったのだ。あかねはそんなことを考えていた。
「あっ……」
「えっ、何か見つかった?」
「(ち、違うよ)」
「(ああ…… これのこと?)」
 美沙は指先であかねの突端をくりくりと動かした。
「あっ、あぁ……」
 少し頭がぼぉーっとして、検索結果も頭に入ってこない感じだった。
 そのまま、ひとつの検索結果を開いてみると、そのブログ記事に『BITCH』が表示されていた。
「あ!」
「あかねぇ……」
 美沙が首筋に吸い付いてきて、背筋がぞくぞくと感じてしまった。
「ち、違うの、今度は見つけたの」
「……」
 あかねは、美沙に画面が良く見えるように少し体を前に倒した。
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