「このままメディアに焼けば売れるんじゃない?」
 シチュエーションが分かるあかねは萌えているが、これが一般の女性に売れるか、とは思えなかった。いや、男性に売るのだろうか?
 結局、全員が笹崎先生との行為に及んでいたということが分かった。麻子が予想した通り、一人一人を呼び出しては、いけない個人授業をしていたということだ。
「ね。だから、これを買ってください。売上は、遠山先輩の募金に回すから」
 山川がそう言った。
 神林があかね達三人を見回して、何か言いたそうだった麻子の方に手を伸ばした。
「上条さん、何か質問あるかしら?」
「あとどれくらい必要なの?」
 神林は親指を折って、残りの指を立てた。
「四十万?」
 神林は首を振った。
「えっ、よんひゃくまん?」
 途方もない…… 学生のバイトで払いきれる額じゃない。いくら風俗のようなことをしたって、集まった頃、遠山先輩がまだ生きている保証があるのだろうか。
「そんなの無理、無理だよ」
 町田が言う。
「だから、この動画を四十万で買ってよ」
「合計で百二十万。その間にウチラも働くから、そのころの合計で二百五十万にはなる。今七十万はあるから、もう少しなんだ」
 山川はどれくらいでその四十万を稼げるのか言わない。どんな酷い目にあっての四十万なのか言わない。そんなお金で遠山先輩が助かったとして、それが本当に正しいのか、教えてくれない。
 とにかく……
 とにかく、このバイト話には無理が多すぎる。
 神林の口元がいやらしく崩れた。
「手っ取り早く、今日、稼いでもらっていいかしら。返事は聞かなくてもOKで決まりなのよね?」
「何いってんのよ、このタオルほどきなさい」
 あかねは体をよじりながら、そう言った。
「あんた達、このくらいじゃヘッチャラみたいだから」
 神林が指で合図した。
「おお、この娘(こ)たちがレズっ子なの……」
「いいねぇ、若い女の子の匂いは」
 玄関方向から何人かの男が入ってきた。
 首や腕に、じゃらじゃらとアクセサリをつけた者、細かく巻いたようなパーマをあて、リーゼントしている者、センスなくはだけた服をきている者…… いわゆる、不良とかヤンキーとか、そういうたぐいの人たちだった。
「やれるんだよな、金は払ってんだからな」
 麻子はちょっと前から、泣き続けている。
 美々も涙が溜まっていた。
 あかねは恐怖で体が震えていた。
 このままでは、この男たちに乱暴されてしまう。無意識に転がり、あかねと麻子と美々は床の端っこに固まった。
 あかねが見ていると、男たちに続いて、もう一人部屋に入ってきた。
「せ、先生!」
「笹崎先生」
「先生も混ざるかい」
「俺、先生ともしてぇよぉ」
「下品な冗談嫌いだっていったろうが」
 笹崎先生は、男の顔を平手で叩いた。



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