「だって、同じ人を襲うって。あれ、本当なの?」
「本当のはずないよ。そんな噂だって今初めて聞いたし。大丈夫、そんなに〈転送者〉が出るなら学校だって大変なことになっているから」
「……そうだよね。学校に出たっていうのはないんだもんね」
「あれだけドアやら扉の類がいっぱいあるんだから」
 向き合って寝ていると、マミは私の太ももの間に足を差し入れてきた。
「な、なに?」
 マミが私の部屋着のズボンを引っ張り下げてきた。
「え? なんなの?」
「直接肌をくっつけた方が、あったかいよ」
 私は一方の足を引いて、マミの足に重ならないようにした。
 マミは太ももをすりつけてくる。
「すべすべして気持ちいいね」
 私も布団の奥に手を伸ばして、マミのふとももに触れる。
「ひゃっ!」
「マミの足の方がつるつるだよ」
「手で触るなんてズルいぞ」
 お返しとばかりにマミの手がふとももを撫で回す。他人に触られたことのない部分に手が触れると、反応が過敏になってしまう。
「ね、ちょっと…… や、やめない?」
 差し込んでくる足のせいで、マミの手があそこに押しあたっていた。気持ちが悪いのか、良いのかと言われれば…… 良いのだが、興奮してしまって寝れなくなってしまう。
 ふとももを触っていた、と思っていたマミの手が、あからさまにパンティを撫でるようになっていた。
「ね、ねぇ。本当、どこ触ってるの?」
「公子怒っちゃった?」
「怒ってないけど」
「けど怒ったみたいな口調じゃん」
「怒ってないから」
 横を向いて寝ているせいか、少しからだが痛くなったので、仰向けになった。
「マミ、もう止めにして、さあ、寝ようか」
「え〜 もうちょっといいでしょ」
「寝よ寝よ」
「ほら、どう?」
 マミは私の上に覆いかぶさるようになり、私の足を挟み込むように擦りつけてきた。
 また、あそこが刺激される。
「あっ…… マミ」

 マミ自身もおまたの敏感な部分を私にすりつけているようだった。
 互いの吐息や喘ぎが、さらに二人を興奮させていく。
『そ、そこ気持いい……』
『私の胸、触りたかったんでしょう?』
 マミは上体を起し、裾をまくって部屋着を抜いだ。
 かわいいブラから大きなバストがはみでそうだった。
『私の視線に気付いてたの?』
『お風呂に行くとき、後ろからお尻を見ているのも知ってるよ』
 私は恥しくて顔が熱くなった。
『公子に触られたい、って思ってた』
 マミの胸が顔の前に近付いてくる。興奮しきった手が慌ててマミの胸を傷つけないように、そっと手をのばす。

「公子、公子、起きて、アラームなってるよ」
「えっ!」
 いつもの妄想ではなかった。完全に寝ていたようだ。
「早くしたくしないと」
 私は急いでバッグを用意した。
 寮を出るとき、神代さんが不思議そうな顔でこっちを見ていた。
 何も問い掛けてこないから、手を振ったら、ぼんやり手を振り返してきた。
 私とマミは、学校の南側へ少し行ったところにある、〈鳥の巣〉のゲートへ向かった。
 十五分ほどで学校の辺り、さらに十五分進んでゲートにたどりついた。
 ゲートの脇には何台かのバスが止り、人が降りてきていた。
 降りた人々は、ぐるぐると折り返しながら受付をしているプレハブへと続いている。
「凄い人の数だね」
「そうだね。大体の出入り人数は知っていたけど、実際こんな列になるとは思わなかった」
「意外に学校から近いし」
 ネットとか、地図では学校とゲートの距離は知っていたが、リアルにこれだけ近い場所だったのか、とか、こんな行列になるのか、頭で想像していたのと随分印象が違ってきた。
 少し先に見えるゲート内の警備は、どうやら軍が行なっているらしい。
 目の前の人の列を警戒しているのは、警察の隊員だった。けれど今日行った警察署の外に立っているような棒を持っているだけではなく、盾もヘルメットも装備していた。列の後ろに並ぶと、あっちこっちから変な目で見られているような気がする。