「大丈夫? ちょっと調子に乗りすぎたよ…… ごめんね」
 本当に目が回ってしまった。立ち上がれない。
「ねぇ、キミコ。あやまってるじゃん!」
 マミは私の上にまたがり、二の腕を使って私を仰向けに返した。
「いっ…… ぃゃょ……」
「あら……」
 私は腕を抑えられて胸を隠せなかった。
 マミに思いっきり立っている二つのもの見られてしまった。
「ど、どうしたのキミコ…… もしかして、さっきの代官プレイで感じちゃった?」
 否定しようおしたけれど、声が出なかった。だから首を振った。
「けど…… この胸……」
 だから、だからここに来てサラシを外してもらっているのに。ちゃんとしたブラを付けて普通に過ごしていれば元にもどるんだから。
 そう思っていると、マミは胸に顔を近づけてくる。
「じゃあ、私といると私といると興奮するの? ほら、それじゃ私が顔を近づけたら、どうなるの?」
「はぁ…… ああ……」
 マミの息と体温が感じられた。
 何も触れていないのに、頭がぼぉーっとしてきた。

『舐めてもいい?』
『ぃゃ……』
『いい?』
『ぃ…… ゃ』
『じゃあ、ちょっと指ならいい?』
 マミは、先端を指さきで弾くように動かした。
『どう?』
 私は息が激しくなるだけだった。
『気持ちいい?』
 マミの問いかけに、私は小さくうなずいた。
『そう』
 今度は唇で胸の先を弾き始めた。
 鼻も、吐息もマミの顔の部分を全て、胸の上に感じた。
『じゃ、吸っちゃうね』
 ペロリ、と舐めたかと思うと、キュっと唇でしごくように吸い付いてきた。
『ぃっ…… た……』
『ごめん、痛かった?』

「あっ、あっ…… や、やめないで……」
「え、何もしてないけど?」
「ちょっと…… マミ、お願いがあるの」
「何?」
「えっと…… あの……」
 気持ちが高ぶって、次の言葉が出てこない。
「すこし…… その…… 胸を……」
「揉めってか?」
 手のひらで覆うようにして、下から上、内から外へ揉まれた。けれど、何かギャグでやっているような調子で、何も感じなかった。
「大きくなぁれ〜。大きくなあれ。はい、おしまい」
 マミは私の上からおりて、私の横に並行するように仰向けになった。
「ほら、ブラつけちゃって」
 買ってきたブラを渡された。
 何か気持ちが下がってしまったので、ベッドから起きて部屋の隅で着替えた。もう、胸の突起が気になってしまうような状態ではなくなっていた。
「ごめんね、マミ」
「何が?」
「無理なことお願いしようとして」
「ううん……」
 何か、生返事だった。
 もしかしたら、マミはお願いを最後まで聞くのが怖くて、はぐらかしたんじゃないだろうか。私がおどおどしないで、ちゃんとお願いしたら、ひょっとすると……そんなことないか。
 私は振り返ってマミに言った。
「さあ、ミハル達を追いかけようか?」
「いくらなんでも、もう無理でしょ」
「けど、あんまりここにいると延長料金とかかかるって言ってたじゃん」
「もうちょっとぐらい大丈夫だよ。だから、ちょっとだけ横にならせて」
「どうしたの、マミ?」
「なんでもない。疲れただけだよ」
 私はベッドの上のマミの横に上がった。
 マミは太ももを閉じるように合わせ、私と反対側に体を向けた。
「どうしたの?」
「なんでもない。すこし疲れたの」
「マミぃ〜」