まるで探し当てようというかのように、手を押し当てたまま上下、左右に動き回る。
「痛い?」
「……手が、手が当たっているとなんか楽な感じがします」
 言っている間も、さするように手が背中じゅうを動き回る。
「そうね。何かそういうものはあると思うな…… あのさ……」
「なんですか?」
「舐めても…… 舐めてもいい?」
「えっ…… どういうことですか?」
「患部を、ね。確かめたいの」
 先生は私の方に体を寄せてきていた。
 お尻の側に座り、体をのせるようにして、顔を背中に近づける。
「どう?」
 何かが触れた感覚が無かった。
 息がかけられた、という感覚の方が強く感じた。
「い、今、舐めたんですか?」
「……もしかして、感覚がない? もう一度、やるわよ」
 スーッとお尻の上当たりから、首筋に向かって息がかかったような感じがした。
「ちょっと脱いでもらっていいかな」
 私が返事もしないうちから、先生は上着を完全に取り去り、ブラも外していた。
「あっ…… あの……」
「あっ、乳首たっちゃったのね」
「恥ずかしいから触らないでください」
 先生は耳元で囁いてきた。
「(小さいけど感度はいいのね)」
「あっ……」
「(耳も感じるの?)」
 体がしびれたように反応した。
 先生の興味が私の反応の方に移ってしまったような気がする。
「ごめんごめん。もちろん背中の痛みの方を診るわよ」
 ぺちゃぺちゃ、と舌と唾液がつくる音が聞こえる。
 ほのかに暖かさを感じ、ようやく背中が舐められているように思えてきた。
 たまに、舌が止まると、その場所に唇を押し当て、吸ってきた。
「あっ、あの…… 吸うの止めてくださいっ」
「やあね。これは私の治療なのよ。毒を吸い出すわけじゃないけど、吸ったりすることで体に刺激を与えてるの」
 また、ずずっと、むしゃぶりつくように吸ってくる。
「少し趣味的な要素もあるんだけど」
「あっ…… 止めてっ……」
「その反応がね…… さらにやってと言っているようなのよね……」
 痛みと関係のない首筋に吸い付いてきて、先生は私の背中に体を合わせてきた。
 背中にあたる、柔らかい部分が、温かい…… って、えっ?
「先生、いつの間に脱いでたんですかっ!?」
 私は体をねじって確認しようとして、背中を痛めていたことを思い出した。
「痛っ……」
「ほら…… じっとして。大丈夫だから」
 唇がそっと当てられ、首筋を吸われた。
「あのっ……」
 新庄先生の手が、私のパンティへ差し込まれる。
「あのね。これは治療なのよ」
 谷間へと二つの指がスッと入ってくる。
「本当ですか?」
「信じてないの?」
「背中を撫でていた時は信じてましたけど……」
 指で中の部分を挟んで来た。
 ブルッと軽く指が震えると、私の声も震えた。
「(あっ…… んっ)」
 一方の手が胸の突起にたどり着く。
「(だって…… そんな……)」
「この気持ちの力って侮れないのよ」
 なに? なにの気持ち? 考えられない……
「(あっ…… んっ)」
「あなたの治癒の力を引き出しているの」
 気持ちいい以外にこの行為に何か意味があるとでも……
「(んっ、んっんっ…… あぁ……)」
 先生の手も激しく動きはじめて、息が切れている。
「ふぅ」
「(はぁ、はぁ、はぁ)」
 私もいつの間にか激しく呼吸して、息が切れていた。
「どう? これでだいぶ楽になったんじゃない?」
「(そ…… そんな…… そんなわけ…… はぁ…… はぁ……)」