きっと夢だ。
 これが真実だとしたら…… 私はいっぱい間違っている。
 ゆっくりとママの腰に手を回し、膨らんだ部分の感触を確かめる。
『柔らかい……』
 私とママは抱き合いながら回転し、私が上になった。
 少し腰をたてて、ママの太ももを挟むようにして腰を押し付ける。
 中の方のアレがピクンと反応する。
『あっ……』
 何度も何度もそこを往復している内、ママが急に抱きしめてきて、私の顔がママの胸の膨らみに押し付けられていた。
『んっ』
 ママもまるで私を受け入れたように足を大きく開いてきた。
 ママも私に性的なものを求めている。
 そう思った私は、ママのふとももをなで上げながら、一番柔らかい部分に指を当てた。
 もう一度ギュッと抱きしめられると、そのままぐるっと回り、今度はママが上になった。
 強く腰を押し当てて、擦るように腰を動かし始める。
 
 
 
「気持ちいいよう……」
 聞き覚えのある声だった。
 ギシギシと、ベッドが音をたてていた。
「!」
 目を開けると、マミが私の上に馬乗りになり、私の手に腰を押し当てていた。
「はっ、はっ…… 」
 マミが声を飲み込むように唇をかみしめたかと思うと、急に上体を重ねてきた。
 それからマミは私をギュッと抱きしめて、気持ち良さそうに寝ている。
 私は驚きを隠せないまま、されるがままにしていた。
 こっちも抱きしめ返したかったが、マミが目覚めてしまったらどうなるのだろう、と思うとお怖くて何も出来なかった。
 ママで性的な処理をしようとしていた自分が、目の前にいる一番好きな人を気持ちよくしている。
 絡まったままの足と、押し付けられたマミの体を感じながら、私は気持ちよくなっていた。
 マミもつかれたように仰向けになると、私はマミの幸せそうな寝顔を見て、布団を掛け直す。
 その顔を見ているうちに、私も寝てしまった。
 
 
 
 次の日の昼休み、マミが今朝のことを聞いてきた。
「あたしさ、キミコのベッドに入った記憶無いんだよね」
 私が何か返す前に、まず、チアキが食いついた。
「えっ、一緒に寝てたの?」
「そうみたい。起きたら隣にキミコの顔があったから」
「チューとかしたの? チューとか?」
「チューって、いつの時代の表現よ」
 私は照れ隠しにそう言って、ちょっと時間をおいてから言った。
「私がベッドに入った時、誰も居なかったんだよね。けど、ベッドの中は暖かったの。おトイレとか行ってたんじゃない?」
「私も、最初から下で寝てた訳じゃないし…… そこが分からないのよ」
「そういや、あんた、寝る時部屋に居なかったじゃない。どこにいたのよ?」
 マズい。まあ、だが、そこに気づくのは普通だろう。
「ちょっと先輩の部屋を回ってたのよ」
「そんなのアリなの?」
「どうでもいいでしょ? 寮にいたんだから、いいじゃない」
 寮に居たことになっていれば、チアキが騒ぎたてても問題にはならない。
 寮から出ていった、なんてウワサがたってはまずいのだ。
「寝る時はみんな自分のベッドに入ってたよね」
「そう。私も上で寝てたと思うから、いつキミコのベッドに行ったのか記憶はないの」
「夢遊病」
 ミハルがボソリと言った。
「何それ?」
「寝てるのに、まるで覚醒時のように行動しちゃう病気。子供は良くそうなるんだけど……」
「子供って、どれくらいの?」
「私も、成人してないっていみじゃ、子供よね?」
 マミは自分が病気ではない、と思いたいらしい。
 ミハルがスマフォで何か調べている。
「……小学校までみたい」
「……」
 どう反応してよいかわからなかった。
 どんなものだかが分からないし、重いのか軽いものなのかもわからない。まさかぁ、とか、すぐ治るよ、とか気安い返事がアダになるかもしれない。
「そうだ、まだ昼休み時間あるし、保健室。本来、こういう相談するところでしょ?」
「……」
「マミ、行こう」
「う、うん」
 四人は連れ立って保健室へ行った。
 新庄先生は、保健室の机で食事を取っていたようだ。