「コアを探す。キミコ、呼びかけろ」
「なんて?」
「パイロットにしてくれるコアを探すんだ」
「だからなんて呼びかけるの?」
「知らん」
 父はいら立っていた。
 やたら厳重なハンドルでしまっている扉に立ち、それをグルグルと回す。
 次第に扉が動くと、一定のところでロックが外れたのか、扉を引くことができた。
 父はそのまま扉の中に入っていってしまう。
「ここにあればいんだが…… おい、キミコ。こっちにこい」
 二つのパイプが平行に走っていて、その上に球が載せられている。そのパイプが壁際に三弾ほどあった。まるでボーリング場でボールを保管しているかのようだった。
「動くまえのコアだな」
 父はコアに手を触れる。
 黒かったコアが発光して明るく光る。
「あちっ!」
 父はゆっくりと手を戻す。
「熱くなかった」
「これを持っていけばいいのね?」
「違う! お前が動かせるやつを持って帰らなけらばいけないんだ。探せ」
「だからどうやって?」
「コアと話し合え。テレパシーだ」
「そんなこと言ったって……」
「とにかく触ってみろ」
 私は保管してあるコアを端から触り始めた。
 父の触ったコアはいきなり光ったが、私が振れたコアは光らない。隣を触ると、音が出る。表面がつるつるですべすべなもの、ざらついた感じのもの、べっとりと粘着してくるもの…… 同じものが二つなかった。
「問いかけに答えてくるものはないのか?」
「何も問いかけられないわよ」
「鬼塚とテレパシーで話をするんだろうが!」
 父は両手を広げて叫んだ。
「早くしろ」
 問いかけるキーワードも何もないまま、私はコアに触り『入ってますか』と念じた。
 ぶるっと振動を返すものがあった。
「これかな?」
「このコアは何を応えた?」
「応えはしないけど、振動を返したわ」
「違う。これじゃない」
 父はコアを取り上げて、床に落とした。
 プシュゥ、と空気がぬけるような音がして、コアは破壊された。
「いまのだったんじゃないの?」
「違う、とにかく早く探せ」
 続きのコアに手をかけ、問いかける『入っていますか?』と。
 何個か手にかけたが、問いかけに答えるコアはなかった。
 父は奥の扉のハンドルを回し始めた。
「ちょっと、父さん」
「向こうにあるのかもしれん」
 私は続きのコアを確かめ続ける。
「きみこ、向こうの部屋にはもう一つサイズが違うのがある。こっちにこい」
 扉から顔を出して父がそう言う。
 私はどこまで確かめたかをおぼえるように、印としてコアを床に捨てた。
「どれくらい大き……」
 直径が倍あった。両手で持たないと持ち帰れないような大きさだった。
 私は端の一つに手をかけた。
『入ってますか?』
『さっきからうるさいぞ』