ヒカリがバイクに乗ってやってきた。真琴は、変身が解けたまま、よろよろと立ち上がったが、戦える状態ではなかった。
 昆虫怪人は真琴を潰そうと、羽を広げて飛び上がろうとした。
 その時、ヒカリがバイクについているレイザーガンで怪人の羽を撃った。
 それに気付いた昆虫怪人はとっさに硬い鞘翅(さやばね)を閉じた。
「チッ! そっちもきたのか」
 再び飛び上がろうとすると、ヒカリはガンで撃った。その間にもバイクはスピードを上げて真琴の方へ向かってくる。
「さぁこい。お前も同じように倒してやる」
 ヒカリは全くスピードを落とさず昆虫怪人にバイクで激突した。
 昆虫怪人は、ぶつかってくるとは微塵も思っていなかったように、マトモにぶつかってしまい、吹き飛んでしまった。
「真琴、とにかく乗って」
 ヒカリにしがみつくようにバイクの後ろに座ると、バイクは立ち上がろうともがく昆虫怪人の横を全力で駆け抜けた。
「とにかく時間を稼ぐよ」
 とヒカリはアクセルを開けながら
「しっかり捕まってて」
 と言った。真琴はとにかくヒカリにしがみついた。
 山道を右左とカーブしながら、ヒカリと真琴は逃げていた。上野を助けなければならないのだが、助ける前にこちらまでやられては元も子もない。
 この夢が続いている限りは逆転する可能性はある。ヒカリは思った。逆転する方法を見付けられれば…
 道を覆っていた木々がなくなり、上空が開けてきた。すると、山陰から羽音が聞こえてきた。
「しまった! あの道を出るのを待っていたのか」
 ヒカリはバイクをターンさせてひき返そうとした時、昆虫怪人が降下して来た。間に合わないと判断し、
「真琴! あそこに飛ぶよ!」
 ヒカリはアクセル横のスイッチを押した。するとバイクは急加速して道を飛び越
えた。
 飛び降りた先の道を再び進んでいると、またしばらくして羽音に追いつかれた。
「止まって! ヒカリ。やっぱり、やるしかないんだよ」
 ヒカリはバイクを止めると、真琴は【ドライバー】を起動させた。
「変身!」
 真琴が良くみていたバイクヒーローの姿に変身すると、敵は距離をとったままホバリングを始めた。
「ふん、死にぞこないに何が出来る」
 真琴に昆虫怪人を倒すアイディアはなかったが、時間が経ったせいなのか体が楽になっていた。
「自分が飛ぶか、相手を飛ばさないかだ」
 ヒカリがそう言ったが、真琴にはそれを具体的にどうして良いのか判らなかった。
 しかし自分が飛べないのは記憶からも確かだ。もっと話数が進んでからじゃないとパワーアップしたバイクにならないのだ。真琴は、飛ばさない方法を考えた。
「避けろ! 真琴!」
 一か八か攻撃をかわして…
 真琴の手に剣が現われた。
「ディバイド…」
 剣が片手持ちのサイズに分割され、両手で持った。そしてカマキリのように剣を構えた。