その時あなたは

趣味で書いている小説をアップする予定です。

カテゴリ:僕の頭痛、君のめまい > 八話

『今日はリレーの練習ね』
 ヒカリが話しかけてきた。
 これは聴覚が生きているわけではない。思考に直接話しかけられているのだ。ヒカリの考え事の一部を、こちらに回してくるということだった。
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

「点検の人だ」
「ちょっとまってください。まだ居ます」
 更衣室が狭く、各人が置きっぱなししている者がないか、忘れ物がないかチェックする為に、定期的に確認しているのだ。
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

「そうじゃないよ、ここ、朝は痣になってたんだよ」
 薫が言いながらさすってくる。
「かわいいブラしてるのね」
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

 そうだ、私には昨日の昼過ぎからの記憶がない。あるのは、ただヒカリの記憶を一方的に見せられたものだけ。ダイジェストだけが必要なのに、等倍の再生しかできない感じだった。
「やってみる価値はあるかもね」
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

 薫が指を折って数えていた。
『ということで残りは大体十四時間。これは寝なかった計算でね。一人につき五時間弱で見れるわ』
『けど、Origamiに五時間もいたら……』
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

『うわっ!』
 いくつかのマンホールの蓋は鎖が伸び切って、その反動で地面に打ち付けられた。別の蓋はそのまま鎖が切れてコロコロと転がていった。
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

 ゾクっと背中に寒気を感じた。
 死、そんな言葉が脳裏をよぎる。
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

 真琴はスライダーを動かしながら、次に映像が変わるところを探していた。
 画像がグラグラっと揺れた。
 その途端、急に映像が暗くなった。
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

 本当の悪党は自分で手を下すことはしない。するだろうが、滅多にしないのだ。しかし、部下はボスより悪党度合いが落ちる。変に優しかったり、間抜けだったりするのだ。だから殺す目的を言ってしまったり、誰の命令でやっているのかを告げてしまったりする。
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

『いや、よく分からない。上着脱がないし、汗もそんなにかいてないし…… あと、なんとなく』
『映像を見て?』
『判らない。ただ、そういう風に頭に浮かんできたのよ』
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

『涼子!』
『無理……』
 壁が砕け、涼子は見えないほど遠くへとばされてしまった。部屋はそこから漏れ出した光りでどんどん白く染まっていき、眩しさで何もみえなくなっていった。
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

「今話聞ける?」
 涼子がバッグの中を見つめながら返事をした。
「ちょっと今話すには面倒くさい話かな」
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

 真琴はスマフォを受け取ると二人と反対を向いた。
『薫ちゃんから聞いたよ。とりあえず何の選手かわからないけど、がんばってね。真琴が何か夢中になっているんだったら、応援する。けど、泊まりとかになる時とか、今日みたいなときは先に相談してね』
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

 突然敬礼するなり、警備員は出入口方向へ走り出した。
 真琴も何かを感じてその警備員を追いかけるように出入口に向かった。
 そこには涼子とその後ろに隠れるようにしている薫、追い詰めようとしている警備員がいた。
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

 ヒカリの視野の隅に映る人の行動を真琴が目で追っていたが、動きが奇妙だった。
 本当に壁ができているかのようだ。
『ヒカリ、ちょっと聞いていい?』
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

 その言葉を聞いて、真琴はこのベストの男が悪党ではなく、間抜けな手下だと判断した。
 多分、本当の悪党ならこのフィールドの仕組みを言わないだろう。自分がかなり有利と思って、気が抜けたのだろうか。
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

 バトンの両端の宝石が光り始めたかと思うと、真琴の衣服は光とともに散り散りに広がっていき、輝きが最高になった時には完全に体のラインが浮き出ていた。
 そして光がおさまった時には、小さな帽子とセイラーカラーのワンピース、膝上のソックスというスタイルに変わっていた。
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

『ヒカリ!』
 次第に見えなくなったヒカリの姿と逆に、現実のトイレの様子が目にはいってきた。
「どうしよう……」
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

 それでも、完全に長髪金髪の自分の姿を無視することが出来ず、何度か見てしまって泣きたくなった。
 涼子、早く来て……
 目の前の自分に耐えられない。
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

「あっ出た」
 真琴の耳と口にスマフォを押し付けてきた。
『もしもし?』
続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ